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犬の気管虚脱の症状・検査・治療法について|獣医師が解説 千葉県船橋市・鎌ヶ谷市のハロー動物病院

船橋市・鎌ヶ谷市・白井市の皆さまこんにちは。

千葉県船橋市・鎌ヶ谷市のハロー動物病院です。

今回は気管虚脱について解説いたします。

 

◆犬の気管虚脱とは…

気管虚脱とは日常的に認められる、わんちゃんの代表的呼吸器疾患です。気管は口から肺へと繋がるホース状の管で呼吸にとても重要な器官です。気管の背側部分は膜性壁でそのほかの部分は軟骨でできており、C字の軟骨、背側部分の膜性壁という構造をしています。気管虚脱とは気管軟骨の脆弱化と膜性壁が伸びてしまうことで気管が背腹方向に(側方方向への虚脱も報告があるがまれ)気管が潰れてしまう疾患を言います。基本的には進行性で不可逆性の病態です。気管虚脱と言っても様々なタイプがあり、原発性、二次的なものに分かれます。二次的な場合には上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)に原因となる病気がないかどうか精査が必要となります。

好犬種はヨークシャーテリア、トイプードル、ポメラニアン、チワワ、パグとされています。大型犬や猫でないわけではありませんが、小型犬に多い疾患です。発生年齢は幼齢期、中高齢期に認められ、幼齢期に認められた場合にはより症状が重症である傾向があります。

 

◆症状

主な症状

気管虚脱の症状にはチアノーゼを含む呼吸困難、咳やガーガーといったガチョウ様の呼吸音(Goose honking)、口を開けた状態で認められる高調性の異常呼吸音(ストライダー)、動きたがらない(運動不耐性)症状、高体温があり酷い場合にはチアノーゼを呈し、その場合には緊急的な対応が必要になります。

 

◆検査

気管虚脱の診断には総合的な判断が必要になりますが、X線、気管支鏡検査、X線透視検査が有用です。似た症状を示すことがある心臓病やその他の病気の除外のためには超音波検査が必要になることがあります。X線検査で潰れた気管が認められた際には気管虚脱と診断することができますが、異常が見つからなかった場合には否定することができません。その場合には気管支鏡検査、X線透視検査が必要になりますが当院にはそういった設備はありませんので必要な場合には他施設へご紹介させて頂きます。また、気管支鏡検査所見にて気管虚脱の重症度は4段階にグレード分類されます。進行度や治療法の決定に用いられます。

Grade I:25%以下の内腔狭小化で膜性壁のみが内腔に突出している。

Grade II:25%の内腔狭小化、気管軟骨の軽度扁平化

GradeⅢ:50-75%の内腔狭小化、気管軟骨の扁平化

GradeⅣ:内腔の完全な消失

 

 

◆治療法

気管虚脱の治療には大きく分けると内科治療、外科治療があります。内科治療には体重の減量、室温管理、運動管理、鎮咳薬、ステロイド、抗生剤が挙げられます。体重管理はとても重要で、肥満である場合にはご家族様の協力が不可欠です。内科治療でコントロールできてきた場合には本人の負担が少なくなるよう使用頻度、薬剤の減量に努めていきます。しかし内科治療でコントロールが難しくなってきた場合には外科治療を考慮する必要があり、その場合には速やかに他施設へ紹介させて頂きます。中には緊急的な状態で紹介まで待てない状況もありますが、その場合には当院では一時的な気管切開を実施し外科療法までの時間を稼ぐ形となります。

 

最後に

日頃から呼吸状態には留意して頂き、何か気になることがあれば当院までご連絡ください。呼吸器疾患は一旦悪くなると急変があり得る病態ですので、変だな?と思ったら様子を見たりせず早めの動物病院受診をお勧め致します。特に暑い日には温度管理、過度な運動に気をつけて生活してくださいね。